介護の現場

入居者家族VSホーム

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「母の認知症が進んでいるような気がします。薬をちゃんと飲ませてくれているんですか!」

 関東圏にある特養老人ホームに入居している80代女性のAさん家族から、ホームの施設長がこう抗議された。

 要介護3のAさんが入居してきて約1年。入居時から認知症の症状があった。

 毎月1回、ホームが契約している病院の医師が往診し、くだんの入居者女性にも診察や医薬品(月額個人負担、平均1万円)が手渡しされていた。

 毎月の入居費用総額は約9万円。Aさんは国民年金の受給者(約6万円)で、不足分は家族が補足していた。同ホームの職員が言う。

「Aさんの息子さんは2カ月に1回ぐらいの割合で訪ねてくるのですが、とにかくうるさいのです。薬にしても、医師のアドバイス通り毎日、食後にAさんに飲ませており、薬を飲ませないことなどありません」

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