ニューヨーク心臓協会の治療指針では、「心疾患があっても投薬治療を受けておらず、動悸や息切れなどの自覚症状がない」状態を第Ⅰ度、「階段を上がったり、軽労作で自覚症状が出てくる」状態を第Ⅱ度としていて、第Ⅱ度であっても、薬で症状を抑えられるなら手術を急ぐ必要はないとしています。手術適応になるのは、「自覚症状によって肉体活動が著しく制限され、それを薬でも抑えられない」第Ⅲ期の段階に入ったらと明確に決まっているのです。
最近は、心臓エコーなどの検査機器の進歩によって、深刻な状況ではない心臓病も見つけられるようになっています。これは、これまでなら見つける必要がなかった段階の患者さんが増えているということでもあります。
本当に手術した方がいい状態なのかどうか迷っている患者さんは、他の病院でセカンドオピニオンを受けてから判断することをおすすめします。手術をするかしないかだけではなく、外科医には手術の良いタイミングを探すという仕事もあります。より多くの客観的な意見を聞いてみてください。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」