心臓の手術が何の問題もなく成功しても、その後で予想外の事態が起こり、病状が悪化してしまうケースもあります。
心臓は生命を維持するためになくてはならない臓器です。全身に血液を送り出し、体中の細胞に新鮮な酸素と栄養素を供給しています。ホルモン分泌や自律神経の働きにも関係しているので、手術で心臓の機能が回復したことによって、体にさまざまな影響を及ぼします。肌のツヤが良くなったり、白かった髪の毛が黒くなったり、高齢でも性欲が復活したりする患者さんもいました。そうした変化が、病状を悪化させる方向に作用してしまう場合もあるのです。
たとえば、目や耳といった感覚器が良くなる場合もあれば、逆に悪くなる場合もあります。手術後、投薬などの影響でしばらくしてから難聴が起こったり、手術に人工心肺を使用したことで小さな梗塞が起こり、飛蚊症が残ってしまう人もいます。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」