医療数字のカラクリ

HbA1cの値と死亡率との意外な関係

 もちろんこの結果は、飲み薬やインスリンで糖尿病治療をしている人での結果なので、もともとHbA1cが6・5%未満の健康な人には当てはまりません。糖尿病になってしまったらいくら薬で一生懸命治療しても、もともと正常な人のように長生きができるわけではないというのです。

 こうした研究結果は、薬で治療をしている糖尿病患者さんに広く伝えられるべきものと思いますが、あまり話題になりません。ぜひ他のメディアでも取り上げてもらいたいものです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。