「やせたいんです」
深刻な表情で訴える30代のHさん。確かにポッチャリした体形です。
「あまり食べていないんですが、なかなかやせられない。漢方薬なら何とかなるのでは、と思ったんです」
ダイエットのための漢方薬はいろいろあります。でも、「何を選ぶか」の前に、「なぜ太っているのか」を知らなくてはなりません。「太っている」のではなく、「むくみ」の場合もあります。
「あまり食べていない」ということでしたので、この1週間、どういうものを食べたり飲んでいるのかを詳細に聞きました。
確かに、朝食抜きだったり、昼食はパン1個だったりと、一食ごとの量は決して多くない。いえ、むしろ「栄養失調気味」としか思えない内容でした。
ところが、さらにしつこく聞くと、甘い缶コーヒーを何本も飲んでいたり、変な時間に菓子パンやハンバーガーを食べていたり、チョコやクッキーなどをちょこちょこ口にしていたり……。しかも、夕食を終えた深夜に、スナック菓子を食べていることもしばしば!
明らかに食べ過ぎです。そして、栄養バランスが偏り過ぎ。Hさんに必要なのは、栄養の知識をきっちり得て、規則正しい食生活を習慣づけることだったのです。食べ過ぎの背景に精神的な問題も抱えていることもあるので、その場合は漢方薬を出しますが、Hさんにはそれは必要なさそう……。
あれから半年、Hさんは徐々に平均体重に近づいています。
漢方達人をめざせ!