これまで、アメリカ国立老化研究所が一流科学誌「セル」に発表したアンチエイジング=レジリエンスを高めるために効果的な7つの方法を紹介してきました。その最後となる今回は「ラパマイシン」を取り上げます。
以前も解説しましたが、長寿遺伝子である「サーチュイン遺伝子」を活性化すると寿命が延びることがわかっています。人間には、このサーチュインを介する経路のほかに、もうひとつ重要な健康増進に役立つメカニズムがあります。それが「mTOR」(エム・トール)という経路です。
エム・トールはタンパク質の一種で、細胞の成長やタンパク質の合成に関わっています。このエム・トールの働きを抑えると、長寿につながることがわかっています。
ラパマイシンは特殊な免疫抑制剤で、エム・トールの働きを阻害します。09年に発表された報告では、ラパマイシンを投与したマウスのオス10%、メス19%に寿命延長が確認され、脚光を浴びました。
レジリエンス高め若々しく生きる