耳鼻科の病気

鼻は生理現象で詰まることがある

 右が詰まっていると思ったら、いつの間にかそれが解消され、左が詰まっている。こんな鼻づまりに悩まされている方はいらっしゃいませんか。

 実はこれ、病気ではなく、「ネーザル・サイクル」(鼻周期)と呼ばれる生理現象です。
“鼻が詰まって苦しい”というなかには、このネーザル・サイクルにあわない方の鼻の穴で呼吸しようとしている場合があるのです。

 そもそも鼻は、取り入れた空気を浄化する機能があります。鼻毛で大きなゴミをつかまえ、その後、鼻の粘膜や線毛などの働きで、鼻毛をすり抜けて入ってくる小さな異物、細菌、ウイルスを鼻の奥の咽頭側に持ちこみ、やがて体外に排除するのです。いわば空気清浄機の働きをします。鼻はさらに、取り入れた空気の圧を調節したり、加温や加湿し、浄化されたきれいな空気をうまく気管支から肺に流す、車のラジエーターのような機能もあります。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。