「幻覚」や「妄想」といった精神的な症状に代表される「統合失調症」の患者数は、厚労省の調査では約80万人(2008年)。国は在宅介護を奨励しているが、精神的な障害を抱えている患者の介護はいっときも目が離せず、家族には24時間の困難が付きまとう。
認知症患者も含め、こうした入居者を介護する福祉施設は「特別養護老人ホーム」など大きく3施設。他に入居代が比較的安い「グループホーム」(認知症対応型共同生活介護)がある。
高齢者層の介護と異なって、精神的な障害を抱える老人のケースは、介護する職員たちも対応に過分の神経を使う。
近畿圏内で運営しているあるNPO法人も、こうした統合失調症や認知症の入居者9人を介護している福祉施設だ。入居費用は月に平均8万~9万円である。
「男女入居者の平均年齢は80歳前後です。その中には提携している病院から送られてくるケースもありますが、介護の施策次第で、症状が回復する入居者もいることがうれしいですね」
介護の現場