家計簿を見れば病気がわかる

50歳の人 今後10年間にかかる保健医療費約150万円

(C)日刊ゲンダイ

 表の数字を使うと、自分と家族がこれから保健医療にどのくらいの金額を使うことになるか、目安を立てることができます。たとえば、いま50歳の人が60歳になるまでに使う金額は約150万円と推計できます。ただし、この数字は物価や消費税の動向によって変動するはずです。それでも、現行の保険医療制度が維持される限り、おそらく200万円を大きく超えることはないだろうと考えられるのです。あまり長期の予想を立てても仕方がないですが、5年から10年先までは劇的な変化はなさそうに思われます。

 もちろん、あくまでも平均値の話です。思わぬ病気やケガで、出費がかさむことも考えられます。反対に、家族全員が健康に乗り切れる可能性もあるわけです。

 今後10年間の健康医療への備えをいくらぐらいと想定しておくかは人それぞれ。しかし、平均より少し多めの出費に耐えられるようにお金と気持ちを準備しておけば大丈夫でしょう。それよりも安くついたら、ラッキーと思って、家族旅行でもすればいいのです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。