カビアレルギー(真菌過敏症)は、空気中に浮遊するカビの胞子がアレルゲン(原因物質)となり、大量に吸い込んだり、粘膜に付着することで気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、結膜炎などの病気が引き起こされる。
そもそも、カビは屋外の土壌中などに生息していて、室内には換気の際に外気と一緒に入ってくるので侵入自体はしかたがない。室内では湿度が70%以上になる頻度が1日8時間以上あるとカビが増殖するので、換気・除湿などによる湿度管理が重要になる。
住宅環境のカビを研究している工学院大学・建築学部の柳宇教授は「一般家庭に比べて、オフィスビルは格別に室内のカビ濃度が低い」と言う。
「オフィスビルの空調には粗じん用フィルターと中性能フィルターが付いているからです。私たちの研究では、外気中のカビの90%以上は除去できています」
ただし、古いオフィスビルで外気をそのまま取り入れている場合には、室内のカビ濃度は一般家庭と同じだという。高断熱住宅の24時間機械換気でもエアフィルターは付いていない。フィルターを付けてファンの吸引力を高めると騒音の問題が出てしまうからだ。
健康は住まいがつくる