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3人の親を持つ赤ちゃん誕生? 難病治療めぐり米国で物議

 この治療は英国ではすでに昨年春に承認され、今年の秋にはこの治療を受けた赤ちゃん第1号が誕生すると予想されています。

 英ガーディアン紙は「この治療法は1996年に米国で開発されたもの」と断った上で、米国で承認されない理由は間違ったコンセプトを持たれているからではないかとコメント。「3人の親といっても、遺伝的形質の99.8%以上は元の両親から受け継がれる。髪の色や目の色をコントロールしようとするデザイナーベビーと比べるのもお門違い。難病の治癒というメリットに着目すべき」と批判的です。

 このような動きを受け、米国医学研究所は米国食品医薬品局(FDA)に対し、実用化に向けヒト胚芽を使った臨床実験の許可にゴーサインを出すよう勧めるリポートを提出しました。今後の行方が注目されています。

▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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