がん保険 本当に必要ですか

<7>医者は懐疑的だが…健康食品に出費する患者の心境

アガリクス(C)日刊ゲンダイ

■医学的根拠は希薄

 人気のトップは「アガリクス」です。キノコの一種で、免疫機能を活性化し、がんを縮小させる働きがあるとされています。次いで人気なのが「プロポリス」。ミツバチが作り出す抗菌物質の一種ですが、やはりがんの増殖を抑える作用があるとされています。他に「AHCC」と呼ばれるシイタケから抽出された物質や、「キトサン」(エビやカニの殻から抽出される物質)、サメ軟骨(フカヒレと同じ成分)などが、よく利用されています。もちろんビタミンやミネラルも定番になっています。

 がんの進行を遅らせるなど、直接的な治療効果を期待する人が利用者の7割近くに達しています。しかし、健康食品の抗がん効果に関する医学的根拠は、かなり希薄、ないし否定的です。気休めにしかならないという医者も大勢います。その意味では、せっかくの金を無駄にしているのかもしれません。

2 / 3 ページ