どうなる! 日本の医療

悪徳人材紹介業者が病院をつぶす

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その手口はこうだ。看護師の資格は持っていても協調性がなく、モンスターペアレントのナース版のような看護師がいる。そうした人たちを故意に紹介することで、医療機関にダメ出しをさせ、新たな看護師を紹介することで、多額の手数料を懐に入れているという。

「人材紹介業者は派遣業者と違い、病院と看護師さんがいったん雇用関係を結べば、あとは責任がなく知らん顔できる。仮に医療機関がダメ出しした場合、派遣業者は責任をもって別の人を派遣する義務があるが、人材紹介業にはそれがない。なのに手数料は高額です。仮に看護師の年収が400万円なら紹介料は2割の80万円。これはすべて医療機関の負担です」

 悪徳紹介業者の中には「プロの悪徳看護師」と結託し、転職を繰り返させる例もあるという。

 人材紹介業者の斡旋で就職した人が自己都合で転職の場合、半年までは人材紹介業の責任で賠償対象になる。しかし、1日でも過ぎると責任はない。

2 / 3 ページ

村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。