抗がん剤の吐き気対策としては、「症状に応じて吐き気止めを使用してもらう」に加え、「食べられる時に、食べられるものを、食べられるだけ」が鉄則です。
病院では、決まった時間に3食、患者さんが吐き気を催さないように栄養士が工夫した食事を提供しています。しかし、それでも吐き気がある場合は、無理に食べなくても構いません。病状に差し支えない、食べたいもの、食べられるものを食べてください。
病院食は治療食でもありますが、少しでも「口から食べられる」ということが大切ですし、「これなら食べられそう」という気持ちを大切にしてほしいのです。
どうしても食べられない、飲むことができない場合には、歯磨きやマウスウオッシュで口の中をサッパリさせたり、レモン水や緑茶でうがいをするだけでも違うかもしれません。氷片を口に含んだりするのも、よく患者さんにお伝えする方法です。
私がこれまで出会った吐き気のある患者さんは、レモンフレーバーの炭酸水やかき氷系のアイスキャンディーを好んで食べていました。
60代以上の方であれば、生ものが入っていない巻き寿司やいなり寿司が人気です。病院食は食べられなくても、家族が持ってきてくれた好物は不思議と食べられたりします。退院して家に帰ると、食べることができる方もたくさんいました。
吐き気対策はさまざまありますが、そんなこんなしているうちに、ある日を境に食欲が戻って、急に味の濃いカップラーメンなどを食べたくなったりします。
テレビドラマで見かけるシーンとは違いますよね? ドラマはゲェゲェ吐かないとつまらなくなってしまいますから!
看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う