どうなる! 日本の医療

死因究明システムの強化が必要

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最近、テレビドラマ等で取り上げられることの多い監察医。地方自治体が死体解剖保存法に基づき、病気や事故で亡くなった死体、死因不明の異状死体を調べ(検案)、死因を特定する医師のことだ。検案で分からなければ解剖で死因を究明する。

「死因究明は犯罪を見逃さないためだけでなく、公衆衛生向上、次世代の衛生行政のためにも重要です。ところが、この監察医制度がピンチを迎えている。これは大問題です」

 こう言うのは東京都監察医務院の福永龍繁院長だ。

 かつて監察医制度は、全国7大都市に設置されていた。しかし、いま実質的に機能しているのは東京23区、大阪市、神戸市の3都市のみ。

 地方財政の逼迫と、「他の医療行政と比較し、死因究明の優先順位は低い」という厚労省の無理解が理由だという。

「そのため、死体を診て死因を判断するプロである監察医の見方とは異なる死因で処理されるケースも多いのです」(福永院長)

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。