役に立つオモシロ医学論文

お酒の種類で数値に差 「焼酎」は血糖値が上がりにくい

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 お酒には「蒸留酒」と「醸造酒」があります。醸造酒は米や麦、ブドウなどを酵母により発酵させて造るお酒です。日本酒、ビール、ワインなどがこれに該当します。穀物や果実由来の糖質を多く含んでおり、血糖値は上がりやすいものと思われます。

 一方、蒸留酒は醸造酒を蒸留して造ります。アルコール分だけを蒸発させ、それを集めて造るため、含まれている糖質が少なく血糖値が上がりにくいものと考えられます。蒸留酒には焼酎のほか、ウイスキー、ブランデーなどが該当します。

 もちろん、お酒の飲み過ぎは肝臓などに負担をかけますし、焼酎を何で割るかというのも重要な問題です。糖質の多いジュースで割ってしまっては、せっかくの焼酎でも血糖値は上がってしまうでしょう。血糖値が気になる人はお酒の割り方にも気を配りましょう。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。