本当は怖い!歯の病気

がん、心臓病、肺炎…死に至らしめる病は歯周病菌に通ず

医療関係者の間では常識に(C)日刊ゲンダイ

 肺炎は肺の中に細菌やウイルスが入ることで発症する。肺炎の中でも誤嚥性肺炎は高齢者や寝たきりの人に多い肺炎で、主に唾液が誤って肺に流れ込むことで、口の中の細菌によって引き起こされる。

「誤嚥性肺炎を起こした人の肺の中から多くの歯周病菌が発見されており、歯周病が誤嚥性肺炎の一因とみられています」

 がんも歯周病菌が引き金になるという説が浮上している。歯周病菌による炎症で正常細胞が異変をきたし、がんを発症するというのだ。

「ハーバード大学が5万人の男性を追跡調査したところ、歯周病のある人はそうでない人よりも64%も膵がんになるリスクが高かったそうです。また、食道がんの細胞の中から歯周病菌のひとつである『トレポネーマ・デンティコーラ』が高い割合で検出されたという国立がん研究センターの報告があります。英国の研究グループが歯周病歴のある男性の医療従事者を調べたところ、肺、腎臓、血液のがんに歯周病菌が関係していると結論付けています」

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