受診までの「応急処置」

【しもやけ】市販薬で様子を見るのは3~4日まで

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 寒さで血流が悪くなり、手や足の指先が赤く腫れてかゆみや痛みを伴う「しもやけ」。入浴などで患部を温めるとかゆみが強くなるのも特徴だ。

 冷たい外気にさらされる耳たぶ、頬、鼻などにもできやすい。山手皮フ科クリニック(東京・高田馬場)の豊福一朋院長が言う。

「気温が5度前後で、一日の気温差が10度以上になると起こりやすいとされています。寒冷にさらされた直後は血管が収縮します。そのあと動脈は早く拡張しますが、静脈は収縮したままの状態になります。そのため静脈から組織内に体液や炎症物質が漏れて、炎症やむくみが起こると考えられています」

 ただし、同じ環境下でも発症しやすい人としにくい人がいる。寒さによる血流障害の回復には遺伝的な差があるからだという。

 また、動脈硬化のある人も手足の血流が悪いので起こりやすい。

「手袋や靴を履いて直に冷気が当たらなくても、雨や雪で濡れたままにしていると気化熱で皮膚の表面温度が下がり、しもやけになりやすい。手足や体の濡れた部分は早くしっかりふき取り、濡れた手袋や靴下、靴は取り換えることが予防になります。先が細い靴やヒールが高い靴を履くことも、足の指先が血行不良になりやすいので要注意です」

 しもやけは放置してひどくなると、水疱が生じたり、それが破れてただれたりする。発症が疑われたら末梢の血行不良を良くすることが重要になる。

 とりあえず、市販薬を使ってみる。毛細血管を拡張する働きがあるビタミンEの内服薬を飲んだり、患部にはビタミンE配合のクリームを塗る。

 皮膚の腫れやかゆみが強いようなら、ステロイド外用薬を塗るといいという。

 何より外出する際は、しもやけができやすい部位はしっかり防寒して、なるべく濡らさないことが大切だ。

「市販薬を使って3~4日しても改善しないようなら受診した方がいい。しもやけとよく似た皮膚症状が出る膠原(こうげん)病の一種『全身性エリテマトーデス』という病気の可能性もあるからです。内臓などにも多彩な症状が出ますが、皮膚症状では一般の人はしもやけと見分けがつきません」

 しもやけ対策として「冷・温水に交互に手や足をひたす方法」が取り上げられることがあるが、これはしもやけができた後にやっても、ほとんど意味がないという。