看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

子供にがんを伝える

 小さなお子さんがいる方にとって、がんが見つかった時、それをどう伝えるかも悩みの一つだと思います。

 子供を授かったばかりの養育期では、親としての役割を新たに学習している時期で、伝え方そのものが分からない。

 子供が学校に通っているような教育期の場合には、教育費をどうするか、年代的に責任が重くなっている仕事をどうするかなど、葛藤が多い。それらに子供を巻き込まないようにしようとするあまり、かえって子供を遠ざける結果になっているケースもあります。

 私の経験から、特に自立して仕事を持っている女性は、「家族に迷惑をかけないように」と、詳しい病状を夫や子供に伝えていない人が多いように思います。

 しかし、がんはぜひ、子供も含めた家族で一緒に付き合っていってほしい。親の病気から遠ざけられた子供は、知らず知らずのうちに疎外感や孤独感を抱えたり、成長発達に影響が出たりするといわれています。さらに、親の死別後に情緒的な問題を抱えたり、人の死に向き合えなくなる恐れがある、とも。

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