受診までの「応急処置」

【のどの痛み】一般医薬品の「のど飴」は何が違うのか?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 風邪やインフルエンザでのどが痛い。または、しゃべり過ぎたり、カラオケで歌い過ぎたりでのどが痛い。そんなときは、取りあえず「のど飴」で対処してみよう。池袋大谷クリニック(東京)の大谷義夫院長(日本呼吸器学会指導医)が言う。

「のど飴にも『一般用医薬品』『医薬部外品』『食品』と種類があります。使うなら、最も効果の高い、薬局で売られている一般用医薬品ののど飴を選ぶといいでしょう」

 一般用医薬品でも成分や効き目の強い順に「第1類医薬品」「第2類医薬品(指定第2類含む)」「第3類医薬品」に分かれている。「医薬部外品」は医薬品に比べて効き目が穏やかで、副作用が極めて少ないのが特徴。販売に許可がいらないので、コンビニやスーパーなどでも買うことができる。

 第2類や第3類の医薬品ののど飴で代表的なのは「浅田飴」や「南天のど飴」。これらは「鎮咳去痰薬」に分類されていて、主な有効成分は生薬だ。

「仕事などで飴をなめるのは都合が悪いという人にお薦めなのは、『龍角散ダイレクトスティック』(第3類医薬品)です。顆粒タイプで、口の中に入れるとすぐに溶けるので利便性がいい。私も常に携帯していて、講演やテレビ出演の前に飲んでいます」

 ただし、一般用医薬品ののど飴の多くは、他の鎮咳去痰薬や風邪薬、鎮静薬などと併用することを禁止している。他の薬を飲んでいるようなら、薬剤師に相談して医薬部外品ののど飴を選んだ方がいいという。

 では、発熱のある「のどの痛み」の場合はどうか。市販の解熱鎮痛薬を飲んでもいいが、「非ステロイド性抗炎症薬(エヌセイド)」よりも「アセトアミノフェン」を選んだ方がいいという。アセトアミノフェンは、抗炎症作用は弱いが、エヌセイドより副作用が少なく安全性が高いのが特徴だ。

「エヌセイドは熱がよく下がるために、治ったと思ってこじらせてしまう人が非常に多いのです。エヌセイドを飲むのなら、症状が重いときには、頓服薬として使うようにした方がいいでしょう」

 特にこの時季は空気が乾燥していて鼻が詰まりやすく、口呼吸になりやすい。口呼吸ものどを痛める大きな原因になる。

「寝るときにマスクをしてもいいのですが、慣れないと苦しくて取ってしまいます。やはり一番いいのは加湿器で室内の湿度を保つこと。湿度が60%を超えるとカビが生える原因になるので、のどに優しい湿度の目安は50~60%です」