クスリと正しく付き合う

副作用を起こさないためには「アレルギー」を未然に防ぐ

(C)日刊ゲンダイ

 薬には多かれ少なかれ副作用があります。たとえば、抗アレルギー薬を服用した際、その副作用である眠気を経験したことがある人も多いでしょう。また、抗がん剤は副作用がたくさんあるというイメージを抱いている方がほとんどではないでしょうか。

 薬の副作用には、出やすいものもあれば出にくいものもあります。ただし、副作用が出にくい薬でも、使用量が多すぎたり、アレルギーがある場合には副作用が出ることがあるのです。副作用を起こさないためにも、「適正な使用量」を守ることがいかに大切かについては、これまでお話ししてきた通りです。それに加え、「アレルギー反応」を未然に防ぐことも重要なのです。

 アレルギーは急性の炎症反応の一種で、必ず「アレルゲン」と呼ばれるアレルギー誘発物質によって引き起こされます。薬においては、その主成分がアレルゲンになったり、添加物や不純物がアレルゲンになるケースもあります。

 たとえば、消費期限の過ぎた薬、特に目薬や内服の水剤などは、開封後は不純物(汚れやカビなど)に汚染されやすく、注意が必要です。こうした不純物によるアレルギーの多くは、適正使用によって防ぐことが可能です。「使用期限を守る」「開封後はできる限り早く使う」ことをしっかり守ってください。

 患者さんの中には、余っている薬をそのままとっておく方がたくさんいらっしゃいます。もったいないという気持ちはわかります。しかし、使用期限が切れて薬の効果がなくなっているだけならまだしも、古い薬を飲んだことで症状が増えてしまったら本末転倒です。

 中でも、目薬の使用期限は開封後10日といわれています。開封したら、治療が終わり次第すぐに廃棄すべきといえるでしょう。

 また、すべての薬に共通していえるのは、「多めに処方してもらうのは控えるべき」ということです。

神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。