メガネかけてもよく見えない 心因性視力障害はどんな病気

スキンシップ効果でストレスが軽減される(C)日刊ゲンダイ

「心のストレスによって視力が落ちる病気です。8~10歳の女子に多く、大人にはめったに見られません」

 こう説明するのは、道玄坂加藤眼科の加藤卓次院長だ。その病気は「心因性視力障害」。古くからある思春期前特有の症状ながら、子供のストレスがニュースなどで取り上げられると付随して話題になる。視力低下の度合いは0.2~0.7。自覚症状がないことが多い。学校の視力検査で異常を指摘され、眼科を受診して初めて発覚するケースがほとんどだ。

「視力検査をすると視力が良くないのに、メガネをかけても改善しないのが特徴です。さらに、脳や網膜の検査でも異常がなければ、心因性視力障害が疑われます」

 原因のストレスは、親の死別や離婚といった深刻なものから、学校のクラス替え、妹ばかり可愛がるなどさまざま。あらゆることが引き金になるという。

「良い子が患者に多いのは、自分の気持ちを抑え込んでしまうせいだと思います。見るからにやんちゃで、普段からストレス発散ができている子は、ほとんどいません」

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