独白 愉快な“病人”たち

ゆーとぴあ帆足新一さん 直腸がん経験も「病気をネタに」

ゆーとぴあ・ピースの帆足新一(C)日刊ゲンダイ

 今はおへその周りに4カ所、穴を開けた痕がありますが、全然、痛くはなかったです。

 ツラかったのは、手術前に腸を空っぽにするために前夜はうどんみたいなものをすすって、朝からおいしくない下剤みたいな水を2リットルも飲まなくちゃいけなかったこと。便がキレイな透明になるまで、何度も看護師さんにダメ出しされるんです。4人部屋だったから、ほかの人のおいしそうな食事の匂いもたまらなくて……。

 手術後も、お水や重湯みたいなものばかりで、とにかく空腹との闘いでした。入院は1週間の予定でしたが、6日目に「先生、お腹がすいてどうしようもありません。もう午後に退院していいですか?」と聞いたら、軽く「いいよ」と言われ、あっさり退院できました。

 先生から注意されたのは、ビールとワインは控えることぐらい。たばこはストレスがたまらない程度には許されたんです。ボク、ヘビースモーカーだったんですよ。「ピース」という芸名の通り、フィルターなしの両切りの缶ピース(50本入り)を何十年間も愛煙し続けてきたんです。でも、がんになってピタッとやめました。

3 / 5 ページ

関連記事