気鋭の医師 注目の医療

新規の放射線内用療法で末期前立腺がんの生存期間を延ばす

JCHO東京新宿メディカルセンター放射線治療内科の黒崎弘正部長(提供写真)

 従来のβ線に比べてα線のがんに対する破壊力は7000倍と強力。それでいて、体内でα線の力が届く距離は0・1ミリ未満(β線は数ミリ)と短い。そのため正常細胞に影響を及ぼすことは少ないとされている。

「注意する副作用として、骨髄抑制(血液成分の減少)や悪心、下痢、嘔吐、食欲不振などが挙げられていますが、いまのところ患者さんに心配されるような副作用は出ていません。体内に入った放射線を出す物質は、骨転移の部分に付かなかったものは便に排出されてしまいます」

 ゾーフィゴは月1回(5㏄前後)、4週間あけて6回注射する。外来で受けられて、治療中に日常生活で制約することは特にないという。ただし、骨以外の臓器に転移がある場合は適応外なので、メタストロンや外照射で対応することになる。

「ゾーフィゴの最大の特徴は延命効果ですが、最後の治療という考えではいけません。転移性の去勢抵抗性前立腺がんの90%は骨転移を有するので、転移したらすぐ治療することが大切です」

3 / 4 ページ

関連記事