皮膚を科学する

冬に子どもの“ほっぺ”が赤くなり大人はなりにくい理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 では、なぜ大人は赤くなりにくいのか。

「大人の皮膚は、子供ほど薄くなく血流が透けないからです。それに子供と違って自律神経が発達しているので、血管の収縮と拡張を繰り返していても、拡張した血管が戻るから赤くならないのです。昔ほどほっぺの赤い子供が見られなくなったのは、屋外で遊ぶ子供が減ってきているからではないかと思います」

 ただし、子供のほっぺが赤くなったら、俗称「りんご病」と呼ばれる感染症の可能性もある。病原体は「ヒトパルボウイルスB19」で、咳やくしゃみなどの飛沫感染でうつる。症状は、軽い咳や鼻水などの後、ほっぺが赤くなり、1~4日で急速に消える。発症のピークは5~9歳と圧倒的に子供に多いが、大人にも感染するという。

「症状が軽いので見逃されやすいですが、子供に比べて高齢者や大人がかかると筋肉痛などの症状が強く出やすい。家庭内で子供のほっぺが急に赤くなったら注意する必要があるでしょう」

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