ステージ3までは、手術が標準とされ、勘三郎さんも手術を受けています。その手術は、外科手術の中でも特に大がかりで、首と胸と腹部の3カ所を開くため、7~8時間に及ぶほど。食道を全摘すると、食べ物の通り道がなくなるので、胃を細い管状にして首のあたりまで持ち上げ、喉とつなぐのです。
そうすると、胃の働きが失われます。王貞治さんが胃がんの手術後、激ヤセされましたが、食道がんの手術後も体重が大きく減ります。指揮者の小澤征爾さんは15キロも減り、「着られる服がなくなった」とこぼしたそうです。
効率よく栄養を吸収できるように食べ物を一時的にためて、少しずつ小腸へ送り出すのが、胃の働き。それが損なわれ、激ヤセするのです。食道がんの手術から復帰した歌手の桑田佳祐さんが“ちょいヤセ”で済んだのは、珍しいケースでしょう。
■早期発見には年1回の内視鏡検査が一番
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁