高齢者のふらつきや気分の悪さは「急性腎障害」を疑う

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 だから急性腎障害を発症すると、3カ月、半年、1年と長期的な経過観察が必要だ。

 発症のきっかけは、主に2つ。ひとつは手術だ。

「人工心肺の設置や出血などで血圧の変動を起こしやすい。すると腎臓をはじめ各臓器への血液の供給が滞り、腎臓が低酸素状態になって機能障害が起こりやすくなるのです」

 高知大学病院の過去約10万人の患者分析では、検査や手術を含む全入院患者の11・3%が急性腎障害を発症していた。

 もうひとつのきっかけは、脱水症状。やはり血液の供給の停滞につながり、腎機能障害を起こす。熱中症による脱水症状だけでなく、風邪やインフルエンザなどの発熱も脱水症状を引き起こす。

■糖尿病、高血圧、痛風患者はリスクが高い

 要注意なのは、高齢者だ。前述の高知大学病院の分析では、60歳以上では14%が急性腎障害を発症していた。

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