コントロール不良の喘息にしびれが…疑べき重大病とは?

治療が遅れれば、心障害などの後遺症(C)日刊ゲンダイ

「ANCAは必ずしも陽性になると限らず、その率は30~50%程度。早期発見を難しくする原因になっています」

 なお、EGPAによる臓器障害で、特に問題となって存続するのは、手足のしびれなどの神経学的症状42%、心血管症状15%。ほかの血管炎と比べてこの2つが多い。

 EGPAの治療では、ステロイドホルモンがよく効く。しかし投与量や投与期間について一定の基準はなく、長期投与になると、骨粗しょう症、糖尿病、白内障、ムーンフェースなどさまざまな副作用や合併症を伴い、再燃のリスクもある。

 そこで免疫抑制剤が併用されてきたが、先日、「既存治療で効果不十分なEGPA」に対し、新薬が承認。「IL―5(特殊なタンパク質であるサイトカインの一種)」の働きを阻止し、好酸球の増殖、分化、浸潤、活性化、生存を抑える。

 治療の選択肢は増えた。いま最も求められるのは、EGPAという病気の存在を知ること。繰り返しになるが、「コントロール不良の喘息+しびれ、麻痺」があれば、早めに自己免疫疾患を診ている科を受診すべき。

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