医者も知らない医学の新常識

貝のうま味成分「コハク酸」で内臓脂肪が燃えやすくなる

貝を食べると内臓脂肪を減らせる?(C)日刊ゲンダイ

 メタボの内臓脂肪を減らすには、脂肪が燃焼する必要があります。脂肪の燃焼というのはその名の通りで、脂肪が燃えて熱に変わるのです。脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞という2種類があって、主に燃焼するのは褐色脂肪細胞です。人間の脂肪細胞の多くは脂肪をため込む性質を持つ白色脂肪細胞ですが、運動で筋肉から放出されるホルモンの作用などにより、ベージュ細胞という褐色細胞に似た細胞に変化し、それが熱産生細胞になると考えられています。

 それでは運動する以外に効率良く内臓脂肪を燃やす方法はないのでしょうか? 今年のネイチャーという一流の科学誌に、それについての面白い論文が掲載されました。それによるとコハク酸という自然にある物質の作用により、脂肪の燃焼が促進されることが、ネズミの実験で確認されたのです。

 コハク酸を食べているネズミは太りにくく、糖尿病にもなりにくいことが分かりました。このコハク酸というのは貝のうま味成分で、アルコールの発酵によっても生じ、ビールやワインの味にも影響を与えることから、食品添加物や調味料としても使用される安全な物質です。まだ人間に同じように効果があるかは分かりませんが、貝を多くとることには、内臓脂肪を減らすという効能があるかも知れません。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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