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研究結果が…米国で主流の低炭水化物ダイエットは早死にの原因

炭水化物を適度に取ることは大事
炭水化物を適度に取ることは大事(C)日刊ゲンダイ

 少し前のアトキンスダイエットから、今爆発的にヒット中のケトジェニックダイエットまで、「炭水化物を減らして痩せよう」というのがアメリカ人のダイエットの主流になってきています。

 ところが最近、「低炭水化物ダイエットは実は不健康、場合によっては早死にの原因になる」という研究結果が「ヨーロッパ心臓病学会」で発表されました。

 ポーリッシュ・マザーズ・メモリアル病院が、1999年から2010年までに採集した2万5000人のデータを分析したもの。

 調査期間に低炭水化物の食事を取った群は、高炭水化物の群に比べ死亡する確率は32%高くなる。中でも心臓病死は50%、がん死は36%高くなることが判明。同病院チームは45万人分の既存データも同様に分析しましたが、ここまで極端な数字ではないものの、やはり似たような傾向が見られたと報告しています。

 なぜ炭水化物の摂取量が寿命に関係してくるのか? 因果関係は分かっていません。しかし研究を指揮したマチー・バナク院長は次のように話しています。

「ある特定の食品群を大幅にカットするのは、常にリスクがある。特に、バナナなど高栄養だが高炭水化物のフルーツの代わりに、動物性タンパクで摂取カロリーを補おうとするのは健康的ではない。そもそも、動物性タンパクは植物性に比べて心臓疾患のリスクを高めることも考慮すべき」

 また、バナク院長は「1日の摂取カロリーの炭水化物の割合が26%を割ることは避けた方がいい。10%を割ると、ますますリスクは高まる」と注意喚起しています。

 実はこの発表の少し前にも、「ランセット・パブリック・ヘルス・ジャーナル」に、炭水化物を多く取った人ほど長生きするという研究結果が発表されたばかり。

 今後のダイエットのトレンドにも影響しそうです。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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