医者も知らない医学の新常識

妊娠中の女性はご用心 「グルテン」で糖尿病になる?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 グルテンとは小麦などに含まれるタンパク質のことです。パンやパスタ、ピザがモチモチとしておいしいのは、このグルテンの食感によるものです。

 最近このグルテンを含まない、グルテンフリーの食品が話題になっています。なぜでしょうか? 実は体質によっては、このグルテンを取ることで、小腸に炎症が起こる病気が知られているのです。これを「セリアックスプルー」と呼んでいます。自己免疫という異常な免疫反応が、グルテンによって起こると考えられているのです。

 もうひとつグルテンと関連がある病気といわれているのが、1型糖尿病です。1型糖尿病とは、主にお子さんの時期に発症する、高度にインスリンが不足するタイプの糖尿病で、治療にはインスリンの注射が必要となります。この病気は日本よりヨーロッパに多く、その原因のひとつとされているのがグルテンの摂取です。今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という一流の医学誌に、デンマークの住民データの結果が報告されています。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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