独白 愉快な“病人”たち

十二指腸潰瘍穿孔の伴大介さん「腹の中でプチッと音が…」

伴大介さん(C)日刊ゲンダイ

 プチッと音がしてからちょっと間があって、だんだん腸の辺りが痛くなってきた。気を紛らわすために灰皿にあったシケモクを吸って、「俺の生活もだいぶ乱れているし、姉弟とも絶縁状態だし……このままおしまいだな」なんて、つらつらと考えていたんだ。そうしたら、いつの間にか2時間も経っていた。そこで初めて「ひょっとしたら助かるかもしれない」と思ったんだな(笑い)。で、救急車を呼んだというわけ。

「十二指腸潰瘍穿孔」という状態だった。胃と腸をつなぐ十二指腸に潰瘍ができて、それが進行して穴が開き、消化管の中にある細菌が腹腔内に漏れ出していた。運ばれた先の病院の医者は「すぐに手術しないとダメだ」と言うんだけど、そこにいたのは消化器の専門医じゃなかったから、結局、翌朝7時まで待たされた。

 痛みに耐え続け、朝になって開腹手術を受け、10日間ほどで退院した。ただ、後々になって受診した別の医師に言わせると、「それはもう死んでいてもおかしくない。生きているのは奇跡的だ」とのこと。しかも、「つまみ縫いしてあるから後から潰瘍になるかもしれない。気をつけた方がいい」と注意されるくらい少々粗っぽい感じの手術だったみたいだね。

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