とはいえ、1日の歩行時間が長い人は健常者である可能性が高く、もともと認知症を発症しにくい人かもしれません。したがって、この研究結果のみで因果関係を決定づけることは難しいといえます。
2018年5月には、「認知症患者に対して、やや強めの有酸素運動や筋力トレーニングを行っても認知機能に対する有効性は定かではない」という論文が英国医師会誌に報告されています。ウオーキングなど身体活動量を増やすことで認知機能が改善するかどうか、現段階では明確ではありません。
ただ、適度な身体活動は健康状態に良い影響を与える可能性は高く、少なくとも健康を害するものではありません。無理のない範囲で、楽しみながらウオーキングができるといいでしょう。
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