役に立つオモシロ医学論文

国際医学誌で報告 定期的ウオーキングで認知症リスク低下

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 とはいえ、1日の歩行時間が長い人は健常者である可能性が高く、もともと認知症を発症しにくい人かもしれません。したがって、この研究結果のみで因果関係を決定づけることは難しいといえます。

 2018年5月には、「認知症患者に対して、やや強めの有酸素運動や筋力トレーニングを行っても認知機能に対する有効性は定かではない」という論文が英国医師会誌に報告されています。ウオーキングなど身体活動量を増やすことで認知機能が改善するかどうか、現段階では明確ではありません。

 ただ、適度な身体活動は健康状態に良い影響を与える可能性は高く、少なくとも健康を害するものではありません。無理のない範囲で、楽しみながらウオーキングができるといいでしょう。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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