起因する病気が60個も…断酒・減酒のコツを専門医に聞いた

断酒が無理ならまず「減酒」(C)日刊ゲンダイ

 またアルコールが粘膜を傷つけるため、食道炎や胃炎を起こすほか、胃や腸、口腔、咽頭、食道などのがんリスクを助長する。飲酒によって血圧が上がりやすいとのデータもあり、高血圧になれば脳卒中、心臓病のリスクも高まる。

 飲酒と認知症の関係も注目されている。日常的に40グラム以上のアルコールを摂取している人は、そうでない人と比べて認知機能が下がる可能性を指摘されている。

 40グラムのアルコールとは、アルコール度数が5度のビールの場合、500ミリリットルの中瓶2本分に相当する。毎日、晩酌でこれくらいの量を飲んでいるという人も少なくないだろう。

「アルコールが健康にもたらすメリットはなく、病気のリスクは飲めば飲むほど高くなります。飲まないに越したことはありません」

 ただし完全な断酒ではなく、現在の酒量を減らすだけでも体やメンタルの健康度はアップする。男性の場合、1日の平均アルコール摂取量を40グラム以下、女性の場合は20グラム以下にすれば、生活習慣病のリスクを下げることができる。

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