高血圧は、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす生活習慣病です。患者数は4300万人と推計されていますから、厄介な血管病の予防で、降圧薬を飲んでいる人は少なくないでしょう。そんな高血圧を巡って、がんとのかかわりを指摘する論文が発表されました。
10月24日付の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」(BMJ)に掲載されたもの。内容を簡単に紹介すると、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を服用すると、肺がんのリスクが増すというのです。ちょっとショッキングでしょう。
ACE阻害薬は、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)やカルシウム拮抗薬、利尿薬と並んで高血圧治療ガイドラインに定められた第一選択薬のひとつ。ポピュラーな薬で、大体10人に1人が服用しているといわれます。ポピュラーな降圧薬ですから、この読者も飲んでいるかもしれません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁