皆さんはMRI検査やCT検査を受けたことがありますか? こうした検査を行うと、当初疑われたものとは違う、予想外の病気が見つかることがあります。
肺がんの疑いで実施したCT検査で、大動脈瘤が見つかったりすることもあるのです。
頭痛で受けた脳のMRI検査で、頭痛の原因ではない脳腫瘍が見つかる、というようなこともあります。
こうした予想外の異常は、検査を指示した医者にとっても、検査を受けた皆さんにとっても厄介なものです。
心臓を調べる目的で撮ったMRIで、肺にがんの疑いのある影が見つかったとしましょう。検査を指示した医者は心臓が専門で肺は専門ではないので、肺がんの疑いを見落としてしまうケースがあり、それが問題になったこともあるからです。
それでは、こうした予想外の異常は、どのくらい見つかるものなのでしょうか?
今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という医学誌に、MRI検査のそうした異常についての研究が発表されています。
それによると、全てのMRI検査のうち12.8%にはそうした予想外の異常があり、最も多いのはがんを疑う所見でした。そして、そのうちの2割しか、その異常の診断はついていませんでした。
検査は病気を疑ってするものですが、別の病気が見つかることが意外に多い、という点にも注意が必要であるようです。
医者も知らない医学の新常識