塩分控えめ「機能性塩」使用を注意しなければならない人

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかし、この「塩分控えめ」の機能性塩は健康な人はまだしも、腎臓の機能が低下している人が使うのは問題があるという。

 元財団法人塩事業センター海水総合研究所所長の橋本壽夫氏が言う。

「カリウムは主に腎臓で排泄されるため、腎臓の機能が低下している人はカリウムが排泄できず高カリウム血症になる恐れがあるからです」

 人間は37兆個の細胞からできていて、細胞内にある液体を細胞内液といい、外部の液体を細胞外液という。細胞内液には細胞が独立して生きていくうえで必要な水分や成分があり、外液は血漿や関節の潤滑剤である組織間液、リンパ液、唾液、涙、汗などをいう。

 ナトリウムとカリウムは水に溶けるとイオンとなり、それぞれの濃度は細胞外液ではナトリウムイオンが、細胞内液ではカリウムイオンが高くなる。細胞膜はそれらの濃度を調整する機能があり細胞内外の老廃物や栄養などを行き来させている。

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