心臓の手術を控えていた患者さんが風疹にかかってしまった場合は、合併症を起こすリスクがアップするので手術は延期します。風疹に限らず、感染症がアクティブな時期に手術を行うことはせず、必ず感染症が治まるのを待ってからあらためて手術を行います。これまで、患者さんがインフルエンザやヘルペスにかかって手術を延期したことはありましたが、風疹は今のところありません。
もちろん、入院患者には風疹の感染予防についての注意喚起は行っていますし、病院のスタッフにもワクチン接種をしてもらっているので、そうしたケースが急激に増えることもないでしょう。
風疹以外では、手足口病やヘルパンギーナ(水疱性口峡炎)などを起こすコクサッキーウイルスに感染すると特発性心筋炎を起こしやすいといったデータは報告されています。ただ、それほど症例が多いわけではないので、いたずらに不安を抱く必要はありません。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」