さらに、世界のインスリンはアメリカの製薬3社でほぼ独占的に生産されています。100年近く前に発見されたインスリンは安いジェネリック医薬品が作られていてもおかしくない。ところが、もともと人間の体内で作られるインスリンを製造するためには高い技術が必要でした。最初のパテントを託された3社が、数年ごとに新たな特許を申請し直してきたために、ほかの会社が参入することができない状態になっているのです。
一方で、これらの特許は特に新たな技術ではなく、ちょっとした変更でも獲得することができるのでは――という指摘も。独占のためだけのパテント維持ではないかという強い批判が出ているのです。
アメリカ人の3人に1人は糖尿病または糖尿病予備群といわれています。高騰を続けるインスリンの問題はますます深刻化しそうです。
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