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朝型と夜型で違う 「早寝早起き」は本当に体にいいのか?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 早寝早起きは三文の徳といわれますが、早寝早起きが悪影響を及ぼす人もおり、万人にとって良いことではありません。

 朝型と夜型、睡眠時間の長短は個性。朝型の人は午前中に調子がよく、夜型の人は夕方くらいから徐々に調子が上がってきます。夜型の人が学校や社会などで強制され、無理して早起きした結果、その分だけ寝不足になって体に負担がかかり、体調が悪くなることもあります。フレックスタイム制の仕事を選ぶなどすれば過ごしやすいでしょう。

 自分は朝型か夜型か? 起きてから寝るまでの十数時間の中で、起床から4~5時間の間に仕事の能率が良いという人は朝型。夕方すぎに調子が良くなる人は夜型と判断していいでしょう。

 また、睡眠不足は大きな問題。インスリンの分泌量が低下し血糖値が上がったり、夜間に血圧が上がったりと、体へさまざまな負担が生じます。

 睡眠時間の短い人を長期的に追いかけていくと、死亡率が高くなるというデータがあります。

 睡眠は眠りの浅いレム睡眠と眠りの深いノンレム睡眠に大別されます。この2つを1サイクルとして、一晩に4~6回繰り返し、通常、自然と目覚めます。7時間ほどで自然に目が覚める仕組みになっているため、7時間程度の睡眠が最も健康に良いと考えられています。しかし、実際の睡眠サイクルは人それぞれ。必要な睡眠時間には個人差があり、同じ年代でも4時間くらいの幅があります。何時間寝たらいいとは一概に言えません。

 寝ることができる時間は、10代で約8時間、20~30代で約7時間、40~50代で約6・5時間、60~70代で6時間と加齢によって減少します。これを目安に、寝る時間と起きる時間を一定にするとよいでしょう。なお、夜は長いので、この時間をどこに落とし込むかを考えて寝ないと、何度も目覚めたり、早起きしすぎたりして苦しみます。睡眠が十分かどうかの判断基準は、朝スッキリ目覚めるか否か。自分にあった睡眠時間を模索して最適化しましょう。

(国際医療福祉大学熱海病院検査部・〆谷直人部長)

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