性感染症最前線

尖圭コンジローマ<2>原因は180種類以上のHPV

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 では、子宮頚がんワクチンがあることはよく知られているが、尖圭コンジローマを防ぐワクチンはあるのか。

「国内で承認されているHPVワクチンは、2価ワクチンと4価ワクチンの2種類です。2価は子宮頚がんの原因となる16型と18型のワクチンで、4価は尖圭コンジローマの原因となる6型と11型を加えた4つの型に対するものです。ただし、国内では男性への接種は承認されていません」

 また、その効果だが、勘違いしてはいけないのは、ワクチンは感染予防を目的とするので、すでに感染している部位の基底細胞(表皮の一番下)からHPVを排除する効果はないということ。つまり、新規感染は防げても再発予防にはならない。セックスデビューをしていない10代前半の女性に、ワクチン接種が勧められるのはそのためだ。

「オーストラリアで26歳以下の女性に4価ワクチンを公費負担にしたデータが出ています。それによると、ワクチンを接種した女性だけで尖圭コンジローマの減少が見られただけでなく、26歳以下の女性をパートナーにもつ男性の尖圭コンジローマも減少しています。4価ワクチンの効果は明らかです」

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