水分をこまめに摂取しても口臭が…それは病気かもしれない

口臭は誰にでもある

【Ｑ】しっかり歯を磨いているのに口臭を指摘されました。何が原因でしょうか？

【Ａ】口臭は誰にでもあります。起床直後や空腹時、緊張時は唾液の分泌が減って細菌が増殖するためで、これを「生理的口臭」といいます。

　ただ、食事をしたり水分を積極的に補給することで、口の中が洗浄されたり唾液の量が増えれば急激に口臭はなくなります。その場合は治療の必要はありません。

　老若男女共通の口臭の防止策としては、こまめに水分を摂取すること。これだけで生理的口臭はほぼ解決できるはずで、症状が改善されない場合は口の中の病気が原因かもしれません。歯周病や虫歯、不適合なかぶせ物などが不快な口臭の発生源になっていることがありますので、かかりつけの歯科医院で相談してください。

　それ以外に、加齢とともに唾液腺（唾液をつくる組織）の機能が衰えて、「ドライマウス」といわれる症状が出る方もいらっしゃいます。

　その場合、他人にはハッキリと感知できる口臭レベルになっている可能性があり、知らないうちに周囲に不快な思いをさせている場合があります。

　ドライマウスについては別の機会にお話しさせていただきます。

　僕の患者さんで、パートナーの起床時の口臭に耐えかねて別れを選んだ女性がいます。

　その方のパートナーはイビキをよくかいていたそうで、そのせいで口呼吸となり、ドライマウス状態になっていたのでしょう。ただでさえ朝は生理的口臭でどんなイケメンでも美人でも口は臭いのですが、よほどヒドかったのだろうと想像できます。

　エチケットとして、パートナーだけでなく他人に迷惑をかけたり嫌われないように口臭を気にすることは大切だと思います。

　ただ、歯を磨く回数は多くても問題ありませんが、過剰に歯茎と舌を磨くのはやめましょう。正しい磨き方はかかりつけの歯科医院の担当衛生士さんに相談してみてください。

　（構成＝小澤美佳）