愉快な“病人”たち

食べて吐いての繰り返し…秋本啓之さん語る過食嘔吐との闘い

秋本啓之さん(C)日刊ゲンダイ

 今から14~15年前、ボクは大量に食べては無理やり吐く……という毎日を繰り返していました。「過食嘔吐による摂食障害」と診断されたのは、大学内の診療所でした。でも、実は医療機関を受診したのはそれ1回きり。

「通って意味があるかな?」と思ってしまったので、それきり行きませんでした(笑い)。

 過食嘔吐の原因は、おそらく減量によるストレス。柔道には階級があり、体重別で試合が行われます。当時ボクの体重は75キロ前後ありましたが、66キロ級の選手として登録していたので、試合のたびに10キロ近い減量をしなければなりませんでした。周りからは「階級を1つ上げて挑戦してみては?」と何度も言われていたんですけど、66キロ級で世界一を狙える位置にいただけに、その階級にこだわってしまったんです。

 高校の頃から減量期間には過食嘔吐の症状はありました。でも、毎日のように吐くようになったのは大学1年の後半からです。その頃には全日本選手にも選ばれていたので、学生の大会に加えて全日本の大会もあり、半年間に6~7回も減量しなければなりませんでした。減量のことが頭から離れない時期が続いて、逆に食に対する欲求が強くなってしまったのだと思います。

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