話題の焦点

岩盤浴で糖尿病が改善 岡山大名誉教授の医師が学会で発表

岩盤浴
岩盤浴(提供写真)

 岩盤浴で糖尿病、脂質異常症が改善するらしい。いかがわしい民間療法? いやいや、日本医学放射線学会専門医が研究し、学会で何度も発表している、いわゆる「エビデンス」のある情報で、岩盤浴女子会ブームなどに伴い、最近になって再び注目を集めているのだ。

「きっかけは、岩盤浴で足を温めたら空腹時血糖値が下がった、という話を聞いたことでした。それならもっと温めればいいのではないかと」

 そう話すのは、岡山大名誉教授の上者郁夫医師。そこで岡山県内の岩盤浴施設に50代の2型糖尿病患者7人(後に6人)に1年間、週2回通ってもらった。

 その施設の岩盤は50度、浴室の室温は42~44度、湿度は65~70%。岩盤の上にバスタオルを敷き、作務衣を着て15分の入浴を3回、合間に5~10分の休憩と水分補給をした。

 すると1年後、血糖値は平均157.6(㎎/デシリットル)から135.1に、数カ月の血糖コントロールを示すヘモグロビンA1cは7.3(%)から6.8に低下。ちなみに、糖尿病は空腹時血糖値126以上、ヘモグロビンA1c6.5のどちらかを満たした場合に疑われる。

「本当に岩盤浴の効果かを調べるために、その後1年間は岩盤浴に入らずに過ごしてもらったのですが、見事に数字は上がっていました。血糖値は160.5にまで上がっていましたから」(上者医師)

 糖尿病患者は、インスリンという物質の働きが悪くなり、それがたくさん体内で分泌されても血糖値が下がらず、高値を維持する。ところが、岩盤浴に入っていた1年間は血糖値が下がっているのにインスリンの分泌量が少なかった。これは、インスリンの働きが良くなったことを意味する。

 上者医師は、悪玉(LDL)コレステロールと中性脂肪が高い8人の数値も調べた。すると、悪玉コレステロールは平均114.7から89.3に、中性脂肪は187.4から97.5に低下。これらは、血糖値、ヘモグロビンA1cよりも早く下がったという。

「岩盤浴の遠赤外線効果とマイナスイオンの効果が特に大きい。今回は岡山の皇輝石を使用した岩盤浴で実験しましたが、遠赤外線効果とマイナスイオンはほかの岩盤浴でも期待できる。信頼のおける業者の岩盤浴を糖尿病対策などに大いに活用するといいと思います」(上者医師)

 サウナは心臓に負担がかかるが、岩盤浴なら問題ない。食事改善が十分にできないなら、せめて……。

関連記事