数週間前に電子たばこの安全性が疑問視されているとお伝えしたばかりですが、今回は米疾病対策センター(CDC)が異例の警告を発しました。
その内容は、電子たばこ吸引に使用するカートリッジ、特にニコチンまたはカンナビス(マリフアナ)を含む非正規品を購入しないようにと呼びかけるもの。
アメリカでは6月末以降、原因不明の肺疾患にかかる10代から20代の若者が多発し、8月末までに215人にのぼっています。多くが入院し人工呼吸器などを使っての治療が必要な重い症状だったとのことで、その中でイリノイ州の30歳の男性が死亡しました。死因はまだはっきり分かっていませんが、これらの患者の共通点は電子たばこを使用していたことだといいます。
CDCによれば、これらの患者は咳、呼吸困難、胸の痛み、さらに吐き気や嘔吐、下痢、発熱などの症状が数日、場合によっては数週間続いたといいます。
複数の医師からは、THC(マリフアナのハイになる成分)入りの電子たばこを吸引した場合、熱せられ霧状になったオイル成分が肺に炎症を起こすのではないかと報告されていますが、ほかの医師によれば、ニコチンだけを吸引した患者も同じような症状を呈したとのことです。
CDCもこうした症状がまったく同じ原因によるものとはまだ分からないとしています。その上で、疑わしいのは非正規・非合法に売られているカートリッジで、THC成分の乳化やフレーバーと混ぜる過程を正規の商品と違う方法で行うために、肺にダメージを与えている可能性があるともコメントしています。
一方、こうした患者はアメリカの25もの州に広がり、「エピデミック=流行・大量発生」という言葉も使われ始めています。
CDCでは、疾患の原因が特定されるまでは非正規のカートリッジを使用したり、自分でフレーバーを加えるなどの行為はしないこと。さらに原因に関わりなく、若者や妊婦は電子たばこの使用は避けることなどを呼びかけています。
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