痛みは胸の左側に起こらない…心筋梗塞で手遅れになる勘違い

写真はイメージ(C)PIXTA

 心筋梗塞の症状は「胸が急激に痛みだす」といったイメージが強いが、実際はそうとは限らない。心筋梗塞で命を落とさないために知っておくべきことは? 順天堂医院循環器内科科長の代田浩之医師に話を聞いた。

 心筋梗塞は、主に動脈硬化が原因で心臓に栄養と酸素を補給している冠動脈が詰まり、血液が流れなくなる病気だ。現在、救急搬送されると、冠動脈にカテーテルという細い管を挿入し、バルーン(風船)やステント(金属製の筒状の補強具)を用いて血流を良くする治療法(PCI)が真っ先に行われる。病院で亡くなる人は減少し、死亡率は5%程度だ。

 問題は、救急搬送前に命を落としてしまう人が少なくないこと。

「統計にもよりますが、院外死における心筋梗塞の割合は、約50%とされています。しばらくすれば良くなるだろうと痛みを我慢する、心筋梗塞を連想しない、近所迷惑を考えて救急車を呼ばないなどの理由で、救急車を呼ぶタイミングが遅れてしまうのでしょう」(代田医師=以下同)

1 / 4 ページ

関連記事