100年人生が楽しくなる半日断食

最も効果があるのは1日2食で1食あたり10~20gの糖質制限

 江部康二先生が推奨する、しっかり食べても太らない「食べトレ」(糖質制限食)には3つのコースが用意されている。

 基本的には、「糖質制限+半日断食(1日2食、朝食抜き)」で、朝はコップ1杯の水分補給が目安。

 まずは、昼食・夕食ともに糖質制限をするコース。

「1日2食とも、ご飯やパン、麺類などの主食、それ以外の糖質が多い食品すべてを控えます。内臓脂肪を減らすダイエット効果や糖尿病の治療効果が極めて高く、最もおすすめのコースです。1食当たりの摂取量の目安は糖質10~20グラム。私自身、これを02年から17年間続けていて、20代のころと同じ体重(57キロ=適正体重)です」

 次は、夕食だけ糖質制限をするコース。

「夕食だけ糖質制限(糖質10~20グラム)をします。昼食の摂取量の目安は糖質50~60グラム。ご飯なら小盛り1杯(糖質約44グラム)、パンなら8枚切りで2枚(糖質40グラム)、そばなら1人前(乾麺70グラムで糖質44グラム)が目安です。つらくなければ、昼食の糖質は30~40グラムでOK。夕食で糖質をカットするのは、昼食に比べて食後の活動量が少ないからです。血糖の大半は筋肉に取り込まれて血糖値を下げますが、夕食後は筋肉を動かす活動が少なく、そのまま就寝することが大半。そのため、余分な血糖が内臓脂肪としてたまりやすくなるからです」

 最後に昼食、夕食ともにプチ糖質制限するコース。

「1日2食とも、1食当たりの目安は糖質30~60グラム。3つのコースの中でいちばん制限が緩やかですが、内臓脂肪を減らす効果も限定的。確実に効果を出したいのであれば、前出の2つを選びましょう」

 そして、主食は、白米、玄米、白いパン、全粒粉パン、全粒粉パスタ、そば、うどんなど。いずれにせよ、紹介したコースの量を参考にして、できるだけ少量にとどめる。

「精製度の低い穀類は、食物繊維の含有量が多いので、血糖値の上昇を若干緩やかにしますが、結局、肥満ホルモンインスリンが分泌されます。白米や食パン、うどんといった精製度が高い、白っぽい主食は食物繊維が除かれている分、体内への糖質吸収が速く、食べると血糖値が急上昇し、さらに大量のインスリンが分泌されます」

 おかずやデザートはどう食べればいいのか。

「糖質制限している分、肉や魚以外にも、サブのおかずとなる野菜、海藻類、キノコ類などを鍋や鉄板焼き、野菜炒めなどにして増やしましょう。野菜の中でもレンコン、ニンジン、ユリ根などの根菜、カボチャ、ソラマメは糖質が多めなので要注意。海藻類では昆布だけが糖質多めなので、ダシを取る以外、昆布巻きや松前漬けなどは少量にするのがよい。果物はアボカド以外は糖質多めです。リンゴなら4分の1個、ミカンは2分の1個、イチゴは5粒が目安になります」

 これらさえ守れば、お腹いっぱい食べてもいい。糖質制限については江部先生の著書「内臓脂肪がストン!と落ちる食事術」(ダイヤモンド社)に詳しい。

 (構成=中森勇人)

江部康二

江部康二

1950年、京都府生まれ。京都大学医学部卒。高雄病院理事長(内科医、漢方医)。日本糖質制限医療推進協会代表理事。近著に「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」(ダイヤモンド社)がある。

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