都立駒込病院ホームページの大腸外科の紹介では、「大腸がんは肝転移があっても根治し得る可能性のある疾患です。切除不能の肝転移でも、分子標的治療薬と全身化学療法の併用により縮小化を図り、改めて切除することによって良好な成績を上げています」と記載されています。
Rさんの衰弱した厳しい状態と、採血の検査データでは肝機能、腎機能が悪く、もう抗がん剤治療が無理なのは明らかでした。本来なら、大腸がんの組織のラス遺伝子などの結果から、最も効く治療法を選択できたはずなのに……。そうすればいまは元気でいられただろうに。いまの医学の進歩の恩恵を受けられないことを誠に残念に思いました。
Rさんは「つらくなく過ごせたらいいのです。自分に責任があるのですから」と言われます。
ある医師の著書には「抗がん剤が効くというのは、がんのしこりを一時的に小さくするだけで、がんを治したり、延命に役立ったりするわけではありません。……かたまりを作る固形がんには、抗がん剤はまったく無意味。つらい副作用と寿命を縮める作用しかありません。……がんはできるだけ放置したほうが、ラクに長生きできます」とあります。しかし、この「放置療法」などと書かれてあることは大間違いです。
がんと向き合い生きていく