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アメリカのがん死亡率が過去30年で29%低下したのはなぜか

ニューヨークのセントラルパーク(C)PIXTA

 アメリカでのがん死亡率が1991年以降、29%も低下――。アメリカがん協会から発表され、話題を呼んでいます。これを数に換算すると、亡くなった人の数が290万人減少したことになるそうです。

 死亡率低下の最大の理由は、肺がんによる死者の減少です。

 肺がんの死者は乳がん、大腸がん、前立腺がん、脳腫瘍をすべて合わせた数をしのぎ、全体の4人に1人を占めているため、その減少が全体の数字を引き下げたことになります。

 その肺がんによる死者が減少した理由は、喫煙率の低下と肺がん治療の進歩です。

 1960年代には40%を超えていたアメリカ人の喫煙率は、2015年には14%を割るまで大幅に下がりました。たとえ今は禁煙していても、かつての喫煙が原因で肺がんになるケースもまだ少なくありません。しかし今後、その数は減っていくだろうと予測されています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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