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前立腺がん治療の一つが「何もしないで様子を見る」こと

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 前立腺がんでは手術や放射線治療、ホルモン療法がありますが、副作用や後遺症はゼロではありません。治療後、排尿障害や勃起不全(ED)が起こり、生活の質が著しく下がる人もいます。「監視療法」を選択すると、治療による合併症がなく、生活の質が維持される利点があります。がんの進行が遅いほど治療しないメリットを得やすくなります。

 米ミネソタ州立大学などの研究チームの分析結果によると、死亡リスクの差は「監視療法」群より手術群の方が約5%低かったものの、統計上は有意な差ではない。逆に排尿障害や勃起不全の症状を起こした人は、手術群の方が明らかに多かった。前立腺がんは、高齢男性が多くかかるがん。死亡率にあまり差がないのなら、自分の「余命」を考えて、「治療」か「監視療法」か、選択することは大切です。

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